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販売企画でいつも話題になるのは、低層階をどのように売り切ってしまうかということです。
自信がないものですから、低層階には捨て値を付け、その価格を上層階に上積みするのです。
破格値になった低層階は上層階より早く売れるのですが、販売の先頭に立つ営業マンは、早く売れるという事実をそのままに受け取りません。
今回はたまたま運がよくて先に売れたのだろうとか、次はこのようにはいかないだろうとか、自分で低層階が売れないものだと決めてかかっているのです。
したがって次の企画の時には、低層階は早く売れるという事実を無視して格安の値決めをしてしまいます。
このような営業マンやマンション業者の思いがユーザーに影響しないはずがありません。
ですから予算に余裕のある人は、上層階が良いと思わなくとも、どうせならと高い上層階を購入してしまうのです。
不動産の購入は逆張り(時流や流行を逆手に取る)が正統的なやり方です。
上層階に人気が高まった場合、人気のない低層階を破格値で買う。
採光の良いマンションに人気があれば、悪いマンションを買い叩いて買う。
このような方法が賢いマンションの買い方ではないかと思います。
最近のマンション企画を見ていますと、駐車スペースの多いマンションが目立ってきました。
建売住宅は特にそうですが、駐車スペースのない物件は売れないと言われています。
建売住宅は駐車スペースがなければ売れないのに、マンションはどうして駐車スペースがないのに売れるのか、これは私にとって不動産7不思議の1つでした。
以前、マンションの企画をした時に、この思いが脳裏に澱みのように残っていて、当時、市街地でのマンションでは珍しかったのですが、戸数分すべての駐車スペースを用意したマンション企画を立てました。
利益率は極端に少なかったのですが、おかげで、当時、売行きの悪くなった市場の中で、弊社のマンションだけは完売しました。
他社もこの事実に気づき始めたのでしょう。
まだ100%の駐車スペースを備えたマンションは稀ですが、50〜60%を確保したマンションが出始めています。
いくらマンションが利便性のあるところに立地しているとはいえ、最近のユーザーの動向を見ていると、車を持っていない家族は20〜30軒に1軒位で、非常に稀だと言えます。
ただ、今までは市中マンションは車が止められなくて当たり前という認識でしたから、仕方なくユーザーも駐車スペースのないマンションを選択していたのです。
しかし、一旦駐車スペースが100%で、価格もさほど高くないマンション企画が現れると、もう駐車スペースのないマンションは見向きもされません。
次にマンションの購入を検討している人は、必ず駐車スペースのあるマンションを選択するべきでしょう。
バブル崩壊の頃は特別として、平成6年4月〜7年4月は、マンション市況に大波乱がありました。
どのような波乱かと言うと、新築マンション価格が2割近く大暴落したのです。
2割と言うと5000万円のマンションが4000万円、4000万円のマンションが3200万円ですから、マンション業者にとって大変な痛手です。
だいたい、マンションデベロッパーはマンション企画に際して、すべての諸経費を差し引いて、1割の利益を見込んで企画をします。
その利益が完全にふっ飛び、人権費や広告費、会社経費までが赤字となる売価なのです。
マンション企画は販売の1〜2年前から企画されるのが普通で、規模によって3〜4年かかる時もあります。
そういうスパンの長い特殊な商品ですから、土地購入時期のマンション企画価格と販売時期のマンション企画価格にタイムラグが出てきて、最初の販売計画を見なおすということもあります。
以前は土地価格が少しずつでも上昇していましたから、タイムラグと言ってもメリットのあるタイムラグが多かったのですが、最近はそのようなことはほとんどありません。
今回の大暴落は、バブル崩壊後、余剰不動産が巷にあふれだし、そのことごとくが売物になるマンション用地に化けたという理由があります。
また、バブルの頃、マンションの買い控えをしていたユーザーが安くなったマンションに飛びついたこともあり、平成5年、6年のマンションが爆発的に売れたため、不動産屋でマンションタイプの土地を待っている人は、猫も杓子も分譲マンション事業に参入したのでした。
このため、関西圏では、平成7年度のマンション販売戸数は、前年度比185%もの上昇率でした。
それらの物件すべてが市場に参入しようとしたのですから、関西圏(関東も同じようなものですが)は新築マンションの氾濫状態になり、売れなくなって当然でした。
さらに、平成7年1月17日に、阪神大震災がたたみかけるように起こったものですから、それまで細々とつながっていたマンション需要も、一挙に縮み上がるようにして消えてしまったのです。
そうなると市場に残された新築マンションは無残なもので、誰も引き取り手のいないマンションが確実に在庫を増やしつつあり、慌て始めたマンション業者は、水面下で様々な手を使い、不良在庫の始末にかかり始めました。
本来、中古マンションもここまで下がると、居住ニーズがある人であれば、必ず買う局面だと思うのです。
しかし、ユーザーの買い意欲というのは、このような下落局面では出ないものらしく、これだけ極端に値下がりしたのに、一時はまったく引き合いもありませんでした。
そこで私は、社員に向かって中古マンションの販売方法についてある工夫を提案しました。
それは、マンションの販売方法に客観的な指標を出せるような価格基準システムの導入です。
これなら、今のマンションがいかに安いかを客観的に理解してもらうことが出来ると考えたのです。
具体的には、マンション価格について客観的な評価を知ることの出来る方法、すなわち中古マンション購入の価値基準になる3つの計算方法をユーザーに提案しました。
1つは販売事例法、もう1つは利回り法、さらにもう1つは再生産法でした。
最初は、前に購入していたユーザーに気づかれないように売却を進めていたのですが、後にはなりふりかまわず、2段、3段と価格を引き下げ、販売競争に狂奔したのでした。
その影響を受けたおかげで中古市場も壊滅的な打撃を受けたのです。
私の知るかぎりでは、今まで、2000万円近くで販売していたマンションを、一挙に980万円まで落とした事例や、ほんの数年前まで4000万円台で販売されていたマンションが、2500万円になっても売れなかったという事例があります。
現場にいるものにとって、目が回り、頭のおかしくなるような市場が続いたのです。
動産鑑定士もマンション評価をするのに、従前より利用している方法かもしれません。
私はマンション販売現場の人間として、マンション購入に使える、生きた価値雑準判断方法として提案したのです。
ですから、どのマンションが今どのような価格で販売されているかは、瞬時にわかるようになっています。
このシステムを援用しますと、最長6年前までの販売事例がホストコンピュータに残っていますので、データとして引き出し、ユーザーに見せて価格比較をしてもらうことが出来ます。
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